焙煎の奥深さと向き合う日々|翡翠の隠れ家コーヒー豆開発記 vol.3

焙煎機 コーヒー豆焙煎

はじめに|焙煎という終わりなき旅のはじまり

こんにちは。「翡翠の隠れ家」を運営するたーです。
これまでのブログ記事では、自家焙煎コーヒー豆のパッケージや販売準備、発送方法などについて綴ってきました。
今回はその“中身”──つまり、コーヒー豆そのものの品質を高めるための焙煎練習についてお話ししたいと思います。

商品として届ける以上、「美味しい」は大前提。
だけど、その「美味しさ」は一朝一夕では手に入りません。

日々、Kaldi Coffee Roasterと向き合いながら、焙煎の技術を少しずつ磨いています。


使用焙煎機:Kaldi Coffee Roaster – Motor Drive Type

自宅焙煎での相棒は、Kaldi Coffee Roaster – Motor Drive Type
小型ながら本格的な半熱風式焙煎機で、モーターによって一定速度で豆を攪拌でき、火加減や排気の調整に集中できます。

この焙煎機の魅力

  • コンパクトなのに本格派
  • 焙煎中の豆の動きが見える
  • 操作がシンプルで練習に最適

ただし、火力と排気のバランスが命
ちょっとでも気を抜くと、焦げたり、膨らみが甘かったり、香りが立たなかったりします。

それでも、機械と豆と、そして自分の感覚との“対話”がある焙煎時間は、まさに瞑想のようなひとときです。


豆の個性を知る:練習で使っているコーヒー豆たち

焙煎練習中のコーヒー豆たち|グアテマラとケニアの魅力

「翡翠の隠れ家」では現在、2種類のコーヒー豆を使って焙煎の練習を重ねています。
どちらも個性がしっかりしていて、焙煎の度合いによって風味ががらっと変わるのが魅力です。


グアテマラ フライハーネス(深煎り)

中米・グアテマラの高地で育った豆です。
「フライハーネス」という地域の豆は、なめらかな口当たりと、ほんのりビターな甘さが特徴。

私はこの豆を**深煎り(しっかり焼いた焙煎)**にして、チョコレートのようなコクと香ばしさを引き出すように仕上げています。

カフェオレやアイスコーヒーにしても味がぼやけず、牛乳や氷との相性も抜群です。
焙煎中には、甘く香ばしい香りが立ち上ってくる瞬間がとても好きです。


ケニア シンバ(中深煎り〜深煎り)

アフリカのケニアで育てられた豆で、もともとベリーのような酸味力強い風味をあわせ持つ個性的な品種です。

私はこの豆を中深煎りから深煎りの間くらいで焙煎し、酸味を少しだけ丸く抑えながらも、甘みとコクがしっかり感じられる味わいに調整しています。

深く焼くことで、黒糖のような深みが出てきたり、冷めても香りがしっかり残るのが面白いところです。


どの豆も、焙煎で表情が変わる

同じ豆でも、焙煎の具合でまったく違う表情を見せてくれます。

  • 少し浅くすると、フルーティーで軽やかに
  • しっかり深煎りにすると、重厚感のある味わいに

まるで性格が変わるようなこの変化が、焙煎の最大の魅力です。

私自身、まだまだ「この豆の一番いい表情」を探している最中ですが、毎回の焙煎が本当に楽しみです。


失敗の数だけ、味に深みが増す

正直に言うと、最初は失敗の連続でした。

  • 焦がした浅煎り
  • ガスが抜けきらないままパッキングしてしまったこと
  • 同じレシピでも気温や湿度で味がブレること

それでも、記録し、見直し、また焙煎する。
その繰り返しが、自分の「軸」や「焙煎スタイル」を育ててくれます。

翡翠の隠れ家では、焙煎ノートを以下のようにまとめています。

焙煎ノートの項目

  • 焙煎日・時間帯・天気
  • 豆の種類
  • 投入温度・1ハゼ・2ハゼのタイミング
  • 焙煎時間
  • カッピング結果(甘味/酸味/コク/余韻)

この記録を蓄積することで、再現性が高まってきました。


写真で振り返る焙煎のひととき

※ここにKaldi焙煎中の写真を挿入してください(例:「焙煎風景 – 翡翠の隠れ家」)

火の前に座り、豆の音を聞き、香りを感じる。
自分の手で焼いた豆が、翌朝の一杯になると思うと、焙煎の手が止められなくなります。

この写真は、実際に焙煎練習をしているときのものです。
豆がカラカラと音を立て、少しずつ膨らんでいく様子を見ていると、「豆が生きている」ような感覚になります。


今後の展望|“翡翠の香り”を届けるために

今後、「翡翠の隠れ家」では以下のような展開を考えています。

  • お試しセットの販売開始(浅煎り/中煎り/深煎り 各50g)
  • 焙煎レシピの公開(ブログやInstagramにて)
  • BASEショップでの本格販売(味・香りに納得したロットのみ)

目指すのは、「またこの豆が飲みたい」と思っていただけるようなコーヒー。
そのためには、ブレない軸を持ちつつ、焙煎の技術と感性をもっと磨いていきたいと思っています。


おわりに|焙煎は心の旅

焙煎は、豆の中にある“物語”を引き出す行為。
どこかで生まれた小さな豆が、海を越えて届き、私の手の中で香ばしく生まれ変わる。

その瞬間に立ち会えることが、何よりの喜びです。

「翡翠の隠れ家」の豆が、誰かの一杯を豊かにし、
その香りが、誰かの暮らしを少しだけやさしく包むことができたなら──

それが、私にとっての焙煎の意味だと思っています。

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